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たかが物置?暮らしが変わる賢い物置選び

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たかが物置?暮らしが変わる賢い物置選び

たかが物置?暮らしが変わる賢い物置選び

2025/11/30

外構工事のご相談をいただくと、「物置はとりあえずデッドスペースに置いておけばいいですよね?」という声を本当によく耳にします。
たしかに、昔ながらの“無骨なグレー一択”の物置であれば、家の裏や隅に置いておきたい気持ちも分かります。景観の主役にはならないですし、何となく「隠したい物」の代表選手というイメージもあるでしょう。

 

しかし最近の物置は、もはや“裏方”にしておくにはもったいないほど進化しています。
ブラックトーンの落ち着いたデザイン、木目調で住宅ファサードと馴染むタイプ、全体がスタイリッシュで「これ、物置なの?」と驚かれるようなモデルまで、本当に選択肢が増えました。

 

せっかく外構全体をデザインするのであれば、物置をただの“置くだけ収納”ではなく、庭や駐車場の景観を整えるひとつのアイテムとして考えるべき時代です。
今日はそんな視点から「物置選び」を深く掘り下げていきます。

 


 

■ 物置は「余りスペースに置くもの」じゃない

 

住宅の間取りを決めるときは、「この部屋は何をしまう?」「収納はどこに欲しい?」と細かく検討しますよね。でも、外構になると急にその意識が薄れ、「とりあえず物置」「とりあえずあそこ空いてるから置こう」という流れになってしまう方が本当に多いです。

でも考えてみてください。

屋外にもゾーンがあり、それぞれの用途に適した収納が必要なんです。

・庭で使う物

・駐車場で使う物

・アウトドア用品

・季節用品

・工具やタイヤ

・子どもの遊具

・災害時の簡易収納

これらがひとまとめに“とりあえず物置”に入れられると、結局はごちゃごちゃになり、使いたいときに使いたい物が取り出せない…という典型的な物置クライシスが発生します。

 


 

 

■ 庭に置く物置は「庭で使う物」を収納する

 

庭での過ごし方は人によって様々ですが、外構のプロとしてよく見かけるのは以下のアイテムです。

・芝刈り機

・ガーデニング用品

・ホースリール

・バーベキューコンロ

・折りたたみ椅子

・ポップアップテント

・子どもの外遊びグッズ

・プール用品

これらは庭で使う頻度が高いので、わざわざ駐車場や家の裏の物置まで取りに行くと面倒です。
「めんどくさいから今日はやめよう」となり、お庭の活用がどんどん減ってしまうこともあります。

庭に物置を置くのは適切どころか、お庭時間を快適にする重要な要素なんです。

そして庭に置くなら、なおさらデザイン性が重要。
ブラックの縦ラインが美しい物置や、木目がナチュラルガーデンに馴染むタイプなど、景観を壊さずむしろ引き締める役割さえ担えます。

 


 

■ 駐車場に置く物置は「車まわりの物」を収納する

 

駐車場の物置に向いているのは、いわゆる“カーライフ系アイテム”です。

・スタッドレスタイヤ

・ジャッキ

・洗車グッズ

・車のメンテ工具

・シーズンスポーツ用品(スキー・スノボ)

・釣り具

・サップやアウトドア用品

特にアウトドア好きな方は、“車に積み込む場所”と“物置の場所”が近いだけで、準備時間が3分の1以下になるなんて日常茶飯事です。

また、駐車場に物置を置くことで、防犯面でもメリットがあります。

・車内に荷物を置かなくて済む

・工具など価値のある物が外から見えない

・車の背後に遮蔽物ができ死角が減る

・空間を引き締める視覚効果がある

さらに、ブラック物置は車好きの方にも人気で、ガレージ横に置くとまるで“ガレージ拡張アイテム”のように見え、統一感が出ます。

 


 

■ 物置は目隠しにもなる。実は“外構計画の味方”

 

近年、ご相談の中で非常に多いのが

「知らない人に見られている気がして怖い」
「コミュニティ疲れで視線を遮りたい」
「とにかく囲いたい」

というニーズです。

 

昔よりもご近所づきあいが薄くなり、生活動線もデジタル化し、人との距離感が分からなくなっている方が増えている印象です。その結果、目隠しフェンスの需要が爆発的に増えています。

 

そんな中で、実は頻繁に提案して喜ばれているのが、

**「物置を目隠しとして活用する」**というアイデア。

物置は高さがあり、しかも“壁”としての存在感も強い。
フェンスと違い、完全に視線を遮断できます。

しかも、最近のおしゃれな物置であれば見たくないものではなく、
“庭の雰囲気を壊さない大きな家具”のような存在です。

フェンスだけで囲うよりもコストを抑えつつ、
収納+目隠しの一石二鳥を実現できるのが大きな魅力です。

 


 

■ ダメな置き方:「空いてるから置く」は失敗のもと

 

物置の失敗例として圧倒的に多いのが、

「家が完成したあとに、空いてる場所へ無計画に置く」

というパターン。

何が起きるかというと…

・掃き出し窓からの景色が急に重くなる

・庭の動線が遮られて使いづらい

・駐車の動線とぶつかる

・ファサードの見た目が崩れる

・将来のリフォームに大きく影響する

・日当たりや風の通りが変わり庭の環境が悪化する

最悪の場合、せっかく100万円以上かけて作った外構計画のバランスが、物置ひとつで一気に崩れることもあります。

 

物置は“ただの箱”ですが、大きい。重い。存在感がある。
だからこそ、間取りを考えるレベルで計画すべきなんです。

 


 

■ 物置は「外構の間取り」に組み込んで計画する

 

住宅には「間取り」があり、収納位置が計画されますよね。
同じように、外構にも「外の間取り」があります。

私はいつもお客様にこうお話しします。

物置は“外構の収納”なので、
外構の間取りに合わせて配置するのが設計です。

・庭ゾーン

・駐車場ゾーン

・アウトドアゾーン

・生活動線ゾーン

・ゴミ置き場ゾーン

 

これらのゾーンをまず整理し、
“そのゾーンで何をしまうか”が明確になってから物置の配置を決めるべきです。

先に物置を決めてしまうと、
外構全体のバランスや使い勝手に悪影響を及ぼすことが本当に多いのです。

 


 

■ デザイン物置は外構の“主役”にもなれる

 

最近の物置は、正直言ってかなりカッコいいです。

・ブラックのマット塗装仕上げ

・木目調でナチュラルに馴染む

・スリムで高さのある縦長デザイン

・モダン住宅に合わせやすい無機質デザイン

 

これらは、もはや「裏に隠すべきもの」ではありません。

むしろ、物置を見せることで外構全体に統一感が出るケースも多いです。

ファサード横に配置すれば重心が下がり、家のプロポーションが美しく見えることもあります。

「物置ひとつで家の見え方が変わる。」

これは外構設計の現場で毎日のように感じることです。

 


 

■ まとめ:物置は“置くだけ収納”から“空間設計のキーアイテム”へ

 

最後に、今日お伝えしたい一番大切なポイントをまとめます。

 

● 物置はデッドスペースに置くものではない

● 外構には“外の間取り”があり、ゾーンごとの収納が必要

● 物置は庭にも駐車場にも置いてOK。むしろ置くべき場所がある

● おしゃれ物置は景観のアクセントにもなる

● 物置は目隠しとしても優秀な外構アイテム

● 無計画に置くと外構全体が台無しに

● だからこそ、外構計画と同時に位置を決めるべき

物置は安いものではありません。
外構の使いやすさを左右する重要な設備です。

 

だからこそ、「とりあえず」で置くのは絶対にもったいない。
ぜひ、家づくりや外構計画と同じ熱量で、じっくり選んでいただきたいと思っています。

物置を“置く収納”ではなく、
“暮らしを整える外構家具”として捉える。

 

そんな視点で選ぶと、
外構がぐっと美しく、暮らしがぐっと快適になります。

 

ぜひ、皆さまの物置選びの参考にしていただければ嬉しいです。

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