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目隠しフェンス本当に必要?失敗しない外構術

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目隠しフェンス本当に必要?失敗しない外構術

目隠しフェンス本当に必要?失敗しない外構術

2025/12/07

近年、外構相談の中で特に増えているご要望のひとつが「目隠しフェンスを設置したい」というものです。境界の1面すべてに高さ1.8mほどのフェンスをずらっと並べて、外からの視線を完全にシャットアウトしたいという意見は、戸建てのお客様だけでなく、リフォームのお客様からもよく耳にします。

 

しかし、私自身の率直な本音をお伝えすると、目隠しフェンスは“コスパが良い外構”とは言い切れない場合がかなり多いと考えています。


もちろん必要なケースはありますが、実際は「そこまで長々とした目隠しが本当に必要なのか?」と疑問に感じる場面がたびたびあります。

 

ではなぜ、目隠しフェンスが必要以上に選ばれてしまうのでしょうか。そして、本当に失敗しない外構をつくるにはどう考えればいいのか。この記事では、外構デザイン会社として多くの現場に立ち会ってきた視点から、目隠しフェンスの本質と、賢い“目線コントロール”の方法を詳しく解説していきます。

 


 

■ 本当に「他人の視線」はそんなに気になるのか?

 

まず前提として考えたいのは、「他人はどれだけ自分の庭を見ているのか?」という点です。

結論から言えば、通行人はほとんどあなたの庭を見ていません。


人間は歩いているとき、考え事をしていたり、目的地に向かって急いでいたり、スマホを見ていたり、視線は案外バラバラです。

こちらとしては視線が気になってしまうものですが、実際には意識して庭を覗き込む人はほとんどいません。むしろ、見られてしまうのはお庭が美しく整っていて「つい見たくなるレベル」の場合です。


それはむしろ誇るべきことであり、「見られる=迷惑」ではなく「綺麗だからこそ目に入る」という前向きな捉え方もできます。

つまり、“見られて困る庭なのか、むしろ見られてもいい庭なのか” ここを整理しないままフェンスを建ててしまうのは大きな誤解につながります。

 


 

■ 目隠しフェンスは「不安」の象徴になりやすい

 

人は、自分の生活空間に対して「守りたい」という意識を持っています。
そのため、外構計画の初期段階では

・見られたら嫌だ

・庭のプライバシーを守りたい

・自宅は外から閉じておきたい

という心理が働き、結果として全面的な目隠しを選択してしまいがちです。

しかし外構の本質を考えると、“閉じることよりも、どう見せたいか”のほうが圧倒的に価値が高いのです。
家づくりの最後の工程が外構ですが、実際は家そのものの完成度を高める「屋外のデザイン」に他なりません。

そう考えたとき、ただ隠すためだけに数十メートルのフェンスを並べてしまうのは、非常にもったいない選択になります。

 


 

■ 「一面全部フェンス」は本当に必要なのか?

 

境界をすべてフェンスで覆う相談は多いですが、実はその必要がないケースが非常に多いです。

理由は簡単で、視線が気になるポイントは「境界全体」ではなく「特定の数メートル」だからです。

例えば、こんな状況が考えられます。

・隣地のリビングと向かい合っている

・敷地の一部だけ道路に対して開けている

・窓の真正面に通行動線がある

こうしたケースでは、すべてを覆う必要はありません。

 

ポイントは「視線が交差する角度と位置」を把握すること。

この角度をピンポイントで遮ってあげるだけで、長々としたフェンスが不要になる場合はとても多いのです。

 


 

■ 1スパンだけの“屏風フェンス”はコスパ最強

 

コスパよくデザイン的にも優れた方法としておすすめなのが、

●「1スパンだけの屏風フェンス」+「植木」+「照明」

という組み合わせです。

境界線に沿ってまっすぐ目隠しフェンスを設置するのではなく、
あえて庭の中に折り曲がるように1スパンだけ角度をつけて設置する

この“屏風フェンス”は非常に効果的で、

・視線の飛び込みを遮断

・デザイン性が高い

・少ない材料で済む

・フェンスの前に植栽を植えると景観が劇的に良くなる

・夜のライトアップで庭の主役にもできる

コストを抑えながら、隠すべき部分だけを隠すという理想的なスタイルです。

 

植木をアップライトで照らすと、夜の庭が一気に魅力的になり、「隠す庭」ではなく「眺める庭」に変わります。

 


 

 

■ リビング前は“距離”を活かした目隠しが最強

 

リビングの正面を全面フェンスで覆うお客様もいますが、一つ知ってほしい重要なポイントがあります。

窓からフェンスまでの距離が近いほど“目隠し効果は高い”

実は、境界に背の高いフェンスを建てるよりも、
リビングから1〜3mの位置に高さ1.2mほどのフェンス(または植木)を置いた方が、圧倒的に視線は遮断されます。

 

理由は、

人の視線は距離が近いもののほうに強く吸い寄せられるから。

 

心理的にも、

・手前に意識がとどまる

・遠くは“ぼやける”

という視覚の特性があり、結果として外からの視線を自然と遮ってくれます。

 

植栽を使う場合は、四季の変化も楽しめて、フェンスよりも柔らかい雰囲気を出すことができます。

 


 

■ 駐車場は“車そのものが目隠し”になる

 

駐車場側にフェンスを長々と設置する方も多いですが、これも実はもったいないケースが多いです。

なぜなら、車自体が目隠しになるからです。

特にSUVやミニバンであれば、車高があり、フェンス以上に視線を遮断する力を持っています。
車が停まっている限りは、

・隣地の様子

・通行人の視線

これらはほぼ入ってきません。

つまり、車の配置次第でフェンスの半分以上の役割を果たす場合があるということです。

駐車位置を少し変えるだけでフェンスが不要になる場合も多いので、外構計画では必ず車の配置を踏まえて設計するべきです。

 


 

■ 目隠しは“全部隠す”より“視線を操作する”ほうが美しい

 

外構デザインの本質は、
「視線コントロール」=どこに意識を向けてもらうか
という設計です。

全面フェンスは「視線を消す」方法ですが、実際に効果的なのは

・見せたい場所に視線を集中させる

・見せたくない場所は角度や距離でぼかす

という“視線誘導”の設計です。

これはインテリアでも、庭づくりでも、建築でも共通する考え方で、
単純な“隠す施工”よりも、はるかに上品で費用対効果の高い方法になります。

 


 

■ まとめ:目隠しフェンスは最後に考えるべき外構

 

目隠しフェンスは悪いものではありません。必要なケースももちろんあります。
しかし、多くの人が抱える「とりあえず隠したい」という心理から、必要以上に長いフェンスを建ててしまっています。

もしコスパとデザインを両立したいなら、

・1スパンの屏風フェンス

・植栽との組み合わせ

・照明による“魅せる庭化”

・リビング近くに低めのフェンス

・車を目隠しとして活用

・視線の角度と距離を徹底分析

こうした方法のほうが、総合的に満足度が高くなる場合が多くあります。

 

外構は「家の外のお化粧」であり、「暮らしの余白をデザインするもの」です。
ただ隠すのではなく、どう美しく暮らしたいのかを考えることが、結果として最良の外構につながります。

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