庭時間を育てる「庭部屋」という考え方

庭はあるのに、使われていないという現実

 

新築でもリフォームでも、ほとんどの住宅には庭があります。
それでも私たちが打ち合わせでよく聞くのは、

「庭はあるけど、あまり出ないですね」
「ウッドデッキは付けたけど、最初だけでした」

という声です。

 

庭が嫌いなわけではない。
ただ、庭に出る理由がない。

この状況を変えない限り、庭は「眺めるだけの空間」のままになってしまいます。

 

私たちローカルガーデンは、この課題に対して
**「庭部屋（にわべや）」**という考え方を提唱しています。

 

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庭部屋とは何か

 

庭部屋とは、
家の中でもなく、完全な屋外でもない、
庭時間を過ごすための居場所です。

 

部屋のように使えるけれど、部屋ではない。
庭の一部だけれど、ただの庭でもない。

 

この“あいまいさ”が、庭部屋の一番の魅力だと考えています。

近年、
「5番目の空間」
「アウトドアリビング」
「半屋外空間」
といった言葉を目にする機会が増えました。

 

LIXILのエクシオールや、タカショーの提案なども、
共通しているのは商品ではなく、過ごし方を語っている点です。

 

ローカルガーデンでは、それらの思想を踏まえつつ、
より暮らしに近い言葉として「庭部屋」という表現を選びました。

 

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なぜ今、庭部屋なのか

 

家の性能が上がり、室内はとても快適になりました。
一方で、家の中だけで生活が完結してしまうことで、

・気分の切り替えがしにくい

・ずっと同じ景色、同じ空気

・無意識にストレスが溜まる

そんな声も増えています。

 

かといって、庭にそのまま出るには、

・暑い、寒い

・雨や風が気になる

・周囲の視線が気になる

 

現実的なハードルもあります。

庭部屋は、
室内の快適さと、屋外の開放感の間を埋める空間です。

 

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住宅業界でも広がる「内と外の中間」

 

この考え方は、外構業界だけのものではありません。

 

最近では、
積水ハウスやダイワハウスをはじめ、
ヘーベルハウスがアウトドアリビングを、
セキスイハイムが「グランキャビン」という半屋外空間で
“うち”と“そと”を行き来するテラスのある暮らしを提案しています。

 

これは偶然ではなく、
暮らし方そのものが変わってきている証拠だと私たちは考えています。

 

家の中だけではなく、
外でもない、もうひとつの居場所が求められている。

庭部屋は、その流れの中にある考え方です。

 

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庭部屋は「何を付けるか」ではない

 

庭部屋というと、
ガーデンルームや屋根付きテラスを思い浮かべる方も多いと思います。

 

確かに、
LIXILのガーデンルームやプラスG、
タカショーのパティオムーブやホームヤードルーフ、
三協アルミのクロススタイルなどは、
庭部屋を形にするための優れたツールです。

 

しかし、私たちが大切にしているのは、

どの商品を使うかよりも、どう過ごしたいか

という視点です。

・誰と使うのか

・いつ使いたいのか

・どんな時間を過ごしたいのか

この答えによって、庭部屋の形は自然と決まってきます。

 

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庭部屋があると、庭時間が生まれる

 

庭部屋ができると、庭は「特別な場所」ではなくなります。

・朝、コーヒーを飲む

・夕方、少し風にあたる

・休日に本を読む

・子どもが宿題をする

・夜、照明を落として過ごす

 

目的を一つに決めなくていい。
むしろ決めない方が、長く使われます。

 

庭部屋は、
庭に出る理由をつくる空間なのです。

 

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外構工事のゴールは「完成」ではない

 

外構は、完成した瞬間がゴールではありません。
使い始めてから、少しずつ価値が見えてくるものです。

 

庭部屋も同じです。

最初は椅子とテーブルだけ。

後から照明を足したり、植栽が育ったり。
暮らしに合わせて、少しずつ変わっていく。

 

ローカルガーデンでは、
つくり込みすぎない庭部屋を大切にしています。

余白があるからこそ、
庭時間は育っていきます。

 

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庭部屋という選択肢

 

部屋を増やす。
リビングを広げる。

それもひとつの答えです。

 

でももうひとつ、
庭に居場所をつくるという選択肢があります。

庭部屋は、贅沢な空間ではありません。
暮らしの質を、静かに高めてくれる存在です。

 

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まとめ｜庭時間を育てるために

 

庭部屋とは、
何かを付けることではなく、
暮らし方を見つめ直すことから始まります。

 

庭が「使われる場所」になったとき、
住まい全体の価値は、確実に変わります。

 

ローカルガーデンは、
庭部屋という考え方を通して、
庭時間のある暮らしをこれからも提案していきます。

庭は、使われてこそ意味がある。
庭部屋は、その最初の一歩です。