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売却前外構で価値を上げる

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売却前外構で価値を上げる

売却前外構で価値を上げる

2025/12/21

中古住宅の売却において、
「リフォームはするが、外構は手を付けない」
この判断が、当たり前のように行われています。

 

しかし実際には、
外構こそ“最も費用対効果が高い売却前投資”
であるケースが少なくありません。

 

なぜなら、住宅の第一印象は、
室内ではなく「外から始まっている」からです。

 


 

■ 家は“玄関を開ける前”に評価されている

 

購入検討者は、物件に到着した瞬間から無意識に判断しています。

・駐車しやすいか
・敷地が整っているか
・管理されている印象があるか
・安心して住めそうか

 

この時点でマイナス評価が入ると、
どんなに内装をきれいにしても取り戻すのは難しい。

 

外構は、
「この家は大切にされてきたか」
を最も雄弁に語る場所なのです。

 


 

■ 売却前外構の目的は“高級化”ではない

 

ここで重要なのは、
売却前の外構工事=お洒落にすること
ではない、という点です。

 

目的は明確に一つ。

「マイナス要素を消し、判断を止めないこと」

 

・荒れた庭
・割れた土間
・使いづらい動線
・不安を感じる境界

 

これらを放置したまま売ると、
購入者は「見えない修繕費」を想像し、
値引き交渉に入ります。

 

外構でやるべきことは、
価値を“盛る”ことではなく、
不安を“消す”ことです。

 


 

■ 売却前に効果が高い外構ポイント

 

① 駐車場・アプローチの整理

最優先は、車と人の動線です。

 

・駐車しにくい
・雨の日に足元が悪い
・玄関まで遠回り

 

これらは、
生活イメージを一気に悪くします。

 

簡易舗装・段差調整・動線整理だけでも、
印象は大きく改善します。

 


 

② 庭は「使わせない」くらいでちょうどいい

 

売却前の庭に、
明確な使い道をつくる必要はありません。

 

むしろ、

・雑草を処理
・最低限の整地
・視線を遮る簡易的な工夫

「手を入れれば良くなりそう」
と思わせる余白を残す方が有効です。

 

完成させ過ぎた庭は、
好みの違いによるマイナスも生みます。

 


 

③ 境界・ブロック・フェンスの安全性

 

見落とされがちですが、
外構の中で最もリスクが高いのが境界です。

・傾いたブロック
・ひび割れ
・基準不適合の塀

 

これは値引き要因になるだけでなく、
取引そのものが止まる原因にもなります。

 

安全性の確保は、
**価値向上というより“信用担保”**です。

 


 

■ いくらかけるべきか?の考え方

 

売却前外構で重要なのは、
「いくら使うか」ではなく
**「どこで止めるか」**です。

一つの目安として、

・想定売却価格の1〜3%
・もしくは値引き交渉を防ぐ金額

 

これ以上かける場合は、
自己満足の領域に入りやすい。

外構は、
売るための整備であり、
住むための完成形ではありません。


■ 外構をやり過ぎると逆効果になる理由

売却前外構で失敗しやすい例があります。

・高価なデザイン門柱
・個性の強い植栽
・趣味性の高い庭づくり

これらは、
購入者の好みを限定してしまいます。

売却前外構の正解は、

「誰にとっても無難で、想像の余地がある」

引き算の美学が、
最も効果を発揮します。


■ 不動産業者が外構を語れると強い理由

売却時に、こんな説明ができたらどうでしょう。

「外構は最低限整えています。
 あとは住む方の暮らしに合わせて
 自由にアレンジできますよ。」

この一言で、

・不安は消え
・余白は残り
・価格の納得感が生まれる

外構は、
売却説明の“補足”ではなく、
戦略の一部として扱うべき要素です。


■ 外構業者を“売却パートナー”にする

売却前外構は、
設計力より判断力が求められます。

・やるべきこと
・やらなくていいこと
・止めるライン

これを理解している外構業者と組むことで、

・過剰投資を防ぎ
・売却スピードを上げ
・クレームリスクを下げる

ことができます。

外構は、
施工ではなく戦略です。


■ まとめ:売却前外構は「価値を守る仕事」

売却前に行う外構工事は、
価値を上げるというより、
価値を落とさないための整備です。

 

・第一印象を整える
・不安要素を消す
・判断をスムーズにする

 

この3点を押さえるだけで、

物件の評価は大きく変わります。

 

家は、
中を見る前に、外で選別されている。

だからこそ、
売却戦略の中に外構を組み込むことが、
これからの不動産には欠かせません。

 

外構は、
「最後に考えるもの」ではなく、
最初に整えるべき価値創出ポイントなのです。

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