庭はいらない?中学生・高校生が戻る庭の再設計
2025/12/20
「子どもが大きくなって、庭をまったく使わなくなったんです」
実は、高校生の息子がいる私自身にもあてはまっている話を今回は書いてみました。
これは、中学生や高校生のお子さんがいるご家庭との打合せで、実によく聞く言葉です。
新築時や子どもが小さい頃は、砂場や芝生、プール遊びで活躍していた庭。
しかし成長とともに、いつの間にか“出なくなった場所”になってしまった。
だからといって、 「庭はいらなかったのでは?」 「外構で失敗したのでは?」
そう感じてしまうのは、少し早いかもしれません
。
このブログでは、中学生・高校生の子どもを持つ世代に向けて、 「使われなくなった庭」をどう捉え、どう再設計すべきかを、外構のプロの視点でお伝えします。
なぜ中学生・高校生になると庭は使われなくなるのか
まず前提として、これはごく自然な変化です。
子どもは成長とともに、
・遊びの中心が「体を動かす」から「人との関わり」へ
・行動範囲が「家の中・庭」から「学校・友人・外の世界」へ
と移っていきます。
幼児期の庭は「遊具」でしたが、 中高生にとっての庭は、 目的がはっきりしないと使われない場所になります。
つまり、庭が使われなくなったのは失敗ではなく、 庭の役割が子どもの成長に追いついていないだけなのです。
「庭はいらない」と感じた時にやってはいけないこと
このタイミングで、やってしまいがちな選択があります。
・何も考えずに全面コンクリートにする
・とりあえず物置や駐輪場で埋めてしまう
・「もう使わないから」と放置する
これらは一見合理的に見えますが、 後から後悔しやすい選択でもあります。
なぜなら、庭を“なくす”決断は簡単でも、 もう一度庭を取り戻すのは、かなり大変だからです。
子どもは成長しますが、 家族構成や暮らし方は、これからも変化し続けます。
その変化を受け止められる余白として、 庭を完全に潰してしまう前に、 一度立ち止まって考えてほしいのです。
思春期の子どもが求めているのは「外でも中でもない場所」
中学生・高校生の子どもは、
・親から完全に離れたいわけではない
・でも、常に干渉されるのは嫌
という、非常に難しい時期にいます。
この時期に実は求められているのが、 家の中でもなく、外出先でもない場所です。
庭は、その条件を満たせる数少ない空間です。
・家の延長として使える
・親の気配は感じるが、視線は外せる
・友達を呼んでも気まずくならない
こうした環境が整えば、 庭は「遊ぶ場所」から「戻ってこれる場所」へと役割を変えます。
中学生・高校生でも使われる庭のリフォーム例
中高生向けの庭に、派手な遊具や設備は必要ありません。 むしろ重要なのは、余白と使い方の幅です。
例えば――
・イスとテーブルを置ける半屋外スペース
・夜でも安心して使える照明計画
・友達と並んで座れる長めのベンチ
・音や視線に配慮したフェンスや植栽
これだけで、 「何をする場所か分からない庭」から、 「とりあえず出ていける庭」に変わります。
目的を限定しすぎないことが、 この世代の庭づくりではとても大切です。
庭は子どもが小さい時だけのものではない
庭というと、 どうしても「幼児期の遊び場」というイメージが先行します。
しかし本来、庭は 家族の成長に合わせて役割を変えられる場所です。
・小さい頃は遊び場
・中高生では居場所
・その先は、家族や友人が集まる余白
外構は、一度つくって終わりではありません。 変化を前提に考えることで、 庭は長く生き続ける空間になります。
庭をどう残すかで、家族の距離感は変わる
「庭を使っていない=意味がない」
そう決めつけてしまうのは簡単です。
けれど、 庭があることで保たれている距離感や安心感は、 数字や目に見える形では測れません。
中学生・高校生になった子どもが、 ふと庭に出てくる。 何も話さなくても、同じ空間にいる。
その“何でもない時間”こそ、 この時期の家族にとって、とても大切なものではないでしょうか。
まとめ:庭は失敗ではない。再設計のタイミングなだけ
使われなくなった庭は、 失敗でも無駄でもありません。
それは、 次の役割に移る準備ができた庭です。
中学生・高校生の成長に合わせて、 庭の意味を少しだけ組み替える。
それだけで、 庭はまた家族の中に戻ってきます。
「庭はいらない?」と感じた時こそ、 本当の外構計画のスタートなのかもしれません。
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株式会社ローカルガーデン
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