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外構工事は坂道工事|駐車場・庭・勾配設計の基本

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外構工事は坂道工事|駐車場・庭・勾配設計の基本

外構工事は坂道工事|駐車場・庭・勾配設計の基本

2026/02/08

外構工事は、極端に言えば**「坂道工事」**です。

 

結論から言います。

外構工事の良し悪しは、デザインや素材よりも先に、勾配と高さの設計でほぼ決まります

 

駐車場の水溜まり、歩きにくいアプローチ、芝生がすぐ荒れる庭。 これらの多くは施工不良ではなく、坂道(勾配)の考え方が整理されていないことが原因です。

 

住宅が「一定の高さ」を基準に設計されるのに対し、 外構は敷地全体を使って、

・人が安全に動けるか

・車が無理なく出入りできるか

・雨水が自然に流れるか

を同時に成立させなければなりません。

 

つまり外構設計とは、 敷地の高低差をどう坂道として成立させるかを考える仕事なのです。

 

住宅は、基準となるFL(仕上げ床高さ)を一つ決め、そこから間取りを組み立てていく建築です。外部環境の影響をまったく受けないわけではありませんが、基本的に建物内部は水平を前提に考えられています。

 

建築で勾配を意識する場面といえば、

・汚水・雑排水の排水勾配

・点検桝の配置

・配管経路と床下高さ

といった、インフラとしての勾配が中心です。

 

一方、外構工事はまったく性質が異なります。

敷地全体で、

・人が歩く

・車が走る

・雨水が流れる

 

このすべてを成立させるために、常に「高さ」と「勾配」を考え続ける工事です。

 


 

外構で一番面積を占めるのは「傾斜」

 

外構工事で施工面積が最も大きいのは、

・駐車場の土間コンクリート

・アプローチ

・芝生や庭スペース

・タイルデッキやテラス

といった、一見すると「平ら」に見える部分です。

 

しかし、これらは完全な水平では成立しません

 

雨は必ず流さなければならないからです。

外構工事とは、平らに見える場所すべてに、 意味のある傾斜を仕込む仕事とも言えます。

 


 

駐車場の勾配は3%がひとつの基準

 

駐車場の土間コンクリートで、ひとつの目安になるのが

・1m進んで約3cm下げる(約3%勾配)

 

この程度の勾配であれば、

・雨水がきちんと流れる

・車の腹を擦りにくい

・歩いたときの違和感が少ない

というバランスが取れます。

 

勾配が足りなければ水溜まりになり、 勾配がきつすぎれば、止めにくく怖い駐車場になります。

新築マイホームに向かって車のアクセルを踏むことに…。

 

外構屋が「高さ」に細かい理由は、 見た目ではなく使い心地と安全性に直結する部分だからです。

 


 

芝生や築山には「安息角」がある

 

ナチュラルな外構工事で、

・築山をつくる

・芝生で法面(のりめん)を設ける

 

こうした計画をする場合に重要になるのが、安息角という考え方です。

 

安息角とは、土や砂が自然に崩れず、安定していられる限界の角度のこと。

一般的には、30°前後をひとつの目安として考えます。

 

これは、

・土が自重で崩れにくい

・雨で流亡しにくい

・植物が根を張りやすい

という、地盤として成立する限界でもあります。

 

「自然っぽくしたい」と言いながら、 実は自然のルールを無視した急勾配の法面を作ってしまうと、

・雨で土が流れる

・芝生が根付かない

・管理がどんどん大変になる

という結果になりがちです。

 


 

勾配で成立しないときに考えるのが土留工事

 

それでも敷地条件や高低差の関係で、 どうしても安息角内で勾配が取れない場合があります。

そのときに初めて検討するのが、

・どこに

・どの高さまで

・どの程度の

土留工事が必要かという判断です。

 

ローカルガーデンでは、 土留は最初から入れる前提では考えません。

・勾配で処理できないか

・法面で逃がせないか

・高さを分節できないか

 

これらを検討したうえで、 どうしても成立しない部分にだけ土留を入れる

 

結果として、

・コンクリート擁壁

・化粧ブロック

・石積み

・意匠壁を兼ねた土留

といった選択肢が出てきます。

 

単なる「押さえ」としての土留ではなく、 空間を区切り、見せ場にもなる意匠壁としての土留

これもまた、坂道工事のひとつの答えです。

 


 

玄関スロープも同じく坂道工事

 

玄関前のスロープも、当然ながら坂道工事です。

・自走で上り下りするのか

・介助が前提なのか

・将来の利用を見据えるのか

これによって、許容できる勾配は大きく変わります。

 

場合によっては、

・ハートビル法

・バリアフリー設計指針

といった法令・基準を踏まえた計画が必要になることもあります。

 

「とりあえずスロープを付ける」ではなく、 誰が、どう使うのかを想定した坂道設計が求められます。

 


 

外構設計とは、高低差を翻訳する仕事

 

外構設計とは、

・高低差を消す仕事ではなく

・高低差をごまかす仕事でもなく

 

高低差を、人と環境にとって都合のいい形に翻訳する仕事です。

 

そのために外構設計では、

・設計GL(設計地盤面)

・建物のフロアレベル(FL)

・接道の高さ

・近隣地との高低差

これらを同時に扱います。

 

設計GLは、法規・造成・排水を成立させるための絶対基準。 一方でFLは、デッキやテラス、居場所、目隠しの高さなど、 暮らしの体感を決める基準です。

 

さらに、道路との高低差は駐車場やアプローチの成立条件となり、 近隣地の高さや窓位置は、視線やプライバシーの設計に直結します。

 

外構設計とは、 これらすべてを踏まえたうえで、 敷地全体に無理のない勾配を与え、 人と水と土地が自然に流れる状態をつくる仕事です。

 


 

外構が先に考えられると、住まい方は整う

 

外構が後回しになると、

・無理な勾配

・排水不良

・土留だらけの外構

・住んでからの違和感

が起きやすくなります。

 

一方で、設計段階から外構の視点を入れると、

・設計GLが無理なく定まる

・建物FLとの関係が整理される

・駐車場やアプローチが自然になる

・目隠しが過剰にならない

・造成や残土量まで含めてコストが読める

 

結果として、住まい方そのものが整うのです。

外構工事は、ただの仕上げ工事ではありません。

 

敷地条件と向き合い、 高低差と勾配を読み解き、 暮らしが無理なく流れる形に翻訳する。

外構工事とは、思想を伴った坂道工事であるのです。

 


 

※本記事は、群馬・前橋エリアを中心に、 高低差・法規・周辺環境の異なる数多くの敷地条件と向き合ってきた 外構設計の実務経験をもとに執筆しています。

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