現場を知らない図面の代償
2025/12/28
外構工事のトラブルは、完成してから表面化することがほとんどです。
そして、その多くは施工不良ではなく、設計段階ですでに始まっていることを、意外と知られていません。
今回は、現場を知らない図面が引き起こす「よくあるトラブル事例」を、職人目線・施工目線でお話しします。
トラブル① 水が流れないコンクリート土間
最も多いのが、土間コンクリートの水勾配トラブルです。
図面上ではきれいな直線。
しかし実際に施工してみると、
・水が溜まる
・建物側へ水が寄る
・玄関前が常に濡れている
こうした問題が起きます。
原因は単純で、
勾配の方向と排水先が設計されていないから。
外構の現場では、
・建物基礎
・道路高さ
・既存の排水桝
・隣地との高低差
これらを考慮した上で、数センチ単位で勾配を調整します。
現場を知らない設計では、
「とりあえず水平」
「見た目重視」
こうした判断になりがちですが、
水は見た目通りには流れてくれません。
トラブル② 高さが合わない階段・アプローチ
次に多いのが、階段やアプローチの高さ不良です。
・一段だけ高い
・踏面が狭い
・昇り降りが怖い
原因は、
GL(仕上がり地盤)を理解せずに描かれた図面。
現場では、
・道路との高低差
・建物の基礎高さ
・将来の沈下
これらを想定して段数と寸法を決めます。
しかし図面上だけで考えると、
「3段あれば良さそう」
「均等に割ればOK」
という安易な設計になり、
結果として毎日使いづらい階段が生まれます。
トラブル③ エクステリア商材が納まらない
アルミフェンス、門柱、カーポート、テラス屋根。
どれも「置けば完成」ではありません。
よくあるのが、
・基礎が小さすぎる
・ビスを打つスペースがない
・部材同士が干渉する
これは、商材の施工手順を知らずに描かれた図面が原因です。
メーカー商品には、
必ず「正しい使い方」と「守るべき寸法」があります。
それを無視した設計は、
現場で職人さんが無理やり納めるしかなくなります。
結果として、
・強度不足
・見えない部分の手抜き
・将来の不具合
につながってしまいます。
トラブル④ 職人任せの現場判断
「細かいことは現場で調整してください」
一見、柔軟に聞こえるこの言葉。
しかし現場では、最も危険な丸投げです。
設計者が責任を持たず、
職人がその場で判断する。
・本来設計で決めるべき寸法
・デザインの意図
・仕上がりの優先順位
これらが共有されていないと、
現場は“作業”になってしまいます。
職人さんはプロですが、
設計者の頭の中までは読めません。
トラブル⑤ 不当に削られる施工手間
現場を知らない図面は、
工事費の設定も甘くなりがちです。
・この内容なら1日で終わるだろう
・これくらいの金額でできるはず
しかし実際には、
・段取り
・養生
・精度調整
・仕上げ
多くの見えない手間が存在します。
その手間が評価されないと、
削られるのは「丁寧さ」です。
結果として、
完成直後は問題なく見えても、
数年後に不具合が出る外構になります。
図面は「責任の証」
良い図面とは、
現場で迷わない図面です。
・どこまでが設計で
・どこからが施工か
それが明確であること。
現場を知らない図面は、
一見するときれいですが、
責任の所在が曖昧です。
外構工事で大切な視点
外構工事は、
デザインだけで成立するものではありません。
・土
・水
・素材
・人
これらを理解した上で初めて、
「設計」と呼べるものになります。
図面を見るときは、
ぜひこう問いかけてみてください。
「これは、現場で本当に作れるのか?」
それに明確に答えられる会社こそ、
外構工事を任せる価値がある会社だと、私たちは考えています。
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株式会社ローカルガーデン
住所 : 群馬県前橋市上大島町48-16
電話番号 : 027-226-1040
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