子どもが大きくなった庭。使い方が変わる外構
2026/09/15
子どもが小さい頃につくった庭は、10年後も同じ使い方をするとは限りません。
走り回っていた子どもが、自転車に乗るようになる。
遊具で遊んでいた子が、友達を連れてくるようになる。
家族みんなで庭に出ていた時間が、それぞれの時間に変わっていく。
だから外構を考えるとき、
「今、子どもが何をするか」
だけではなく、
「子どもが大きくなったら、この庭はどう使われるだろう?」
と考えてみる。
庭時間をデザインするということは、今の家族にぴったりの庭をつくるだけではありません。
家族の変化を受け止められる庭をつくることでもあります。
子どもの成長と一緒に、庭の役割は変わる
小さな子どもがいる家庭では、庭に求めるものが比較的分かりやすいかもしれません。
走り回れる。
転んでも大きなケガをしにくい。
道路へ飛び出さない。
親が家の中から見守れる。
夏は日陰がある。
水遊びができる。
そんな「子どもが遊ぶ庭」です。
ところが、数年経つと子どもは成長します。
三輪車は自転車になる。
砂場は使わなくなる。
庭を走り回る時間も減っていく。
すると、同じ庭なのに求められるものが変わります。
これは、最初の外構設計が間違っていたということではありません。
暮らしが変わったのです。
そして、良い庭とは、その変化を受け止められる庭なのだと思います。
「子どものための庭」をつくりすぎない
子育て世代から、
「子どもが遊べる庭にしたい」
というご相談をいただくことがあります。
もちろん、それは大切な目的です。
ただ、私はそこで少しだけ考えます。
子どもが大きくなったあと、その庭はどうなるだろう?
遊具を置く。
砂場をつくる。
人工芝を全面に敷く。
もちろん、それぞれに意味があります。
でも、庭のすべてを「子どもの遊び場」に固定してしまうと、子どもが使わなくなったとき、庭全体の役割も失ってしまう可能性があります。
だからこそ、
「子どもが遊べる庭」
ではなく、
「子どもが遊べるし、家族も過ごせる庭」
を考える。
この違いは、10年後に大きくなります。
小さい頃は「走る庭」、大きくなったら「集まる庭」
例えば、庭にある程度の広さを確保しておけば、子どもが小さい頃は走り回る場所として使えます。
でも、成長すれば、その同じ場所が別の使われ方をするかもしれません。
友達とBBQをする。
家族で食事をする。
テーブルを出して宿題をする。
夏の夜に花火を見る。
親が椅子に座って話をする。
何もせず、ただ過ごす。
庭の床を最初から一つの用途だけに決めつけない。
「何ができるか」ではなく、「何が起きても受け止められるか」。
そんな考え方も、庭には必要だと思います。
「居場所」は、子どもが大きくなっても残る
以前の記事で「庭に居場所をつくる」という話をしました。
実は、この「居場所」は子どもの成長にも関係しています。
小さい頃は、親が子どもを見守るためのベンチ。
少し大きくなれば、子ども自身が座る場所。
さらに大きくなれば、家族で話す場所。
もしかすると10年後には、親が一人でコーヒーを飲む場所になるかもしれません。
同じベンチでも、そこにいる人と時間が変わっていく。
だから庭に必要なのは、必ずしも「子ども専用の設備」だけではありません。
家族の誰かが、いつでも戻ってこられる居場所。
それが長く使える庭につながります。
庭から「自分の時間」が生まれる
子どもが小さい頃は、親と子どもの時間がほとんど一緒です。
庭で遊ぶ。
一緒に水遊びをする。
一緒に植物へ水をやる。
一緒に夕飯を食べる。
でも、子どもが成長すれば、それぞれの時間が増えていきます。
子どもは友達と遊ぶ。
親は庭で植物を手入れする。
夫婦で椅子に座る。
一人で本を読む。
庭で何かをつくる。
同じ庭の中に、それぞれの時間が生まれる。
これは「庭時間」の大きな面白さです。
庭は、家族全員が同じことをする場所でなくてもいい。
同じ空間で、それぞれ違う時間を過ごせる。
そんな庭もつくれます。
自転車置場も、成長すると意味が変わる
子どもの成長を考えると、自転車も重要です。
幼児期は三輪車。
小学生になると自転車。
中高生になれば、自転車通学。
兄弟がいれば台数も増えます。
そして、いつか子どもが独立すれば、その自転車置場が空くかもしれません。
だから自転車置場も、
「今、自転車が何台あるか」
だけではなく、
「この家族の10年後の移動手段はどうなっているか」
という視点を持っておくと面白い。
場合によっては、自転車置場が物置になったり、趣味のスペースになったりすることもあります。
最初から用途を固定しすぎなければ、庭は変化できます。
駐車場だって、家族の成長で変わる
これは車にも言えます。
子どもが小さい頃は、チャイルドシートの乗せ降ろしがしやすい場所が必要です。
雨の日に濡れずに玄関まで行けることも重要です。
成長すれば、子ども自身がドアを開け閉めするようになる。
さらに年月が経てば、子どもが運転するようになる可能性もあります。
そうなると、必要な駐車スペースや動線も変わります。
だから駐車場は、
「車を何台置けるか」
だけで決めるのではなく、
家族が車とどう付き合っていくのか
まで考えておきたい。
前橋をはじめ群馬では、車が暮らしの中心になっている家庭も少なくありません。
駐車場は単なる「車を置く場所」ではなく、家族の生活動線そのものです。
庭を「余白」にしておく意味
ここで、以前お話しした「余白」がもう一度登場します。
子どもの将来を完全に予測することはできません。
何の部活動をするか。
どんな趣味を持つか。
どんな友達と過ごすか。
いつ車に乗るようになるか。
すべて分かるはずがありません。
だから、庭を完成させすぎない。
何でも用途を決めてしまわない。
少し空けておく。
その余白が、10年後には思いがけない使い方を受け止めてくれるかもしれません。
余白は、未来のためのスペースです。
そして、未来が分からないからこそ、価値があります。
「子どもが大きくなったら庭はいらない」は、本当でしょうか
子どもが大きくなったら、
「庭で遊ばなくなったから、庭はいらない」
と思うかもしれません。
でも、庭の役割がなくなったのではなく、変わっただけかもしれません。
遊ぶ場所から、話す場所へ。
走る場所から、座る場所へ。
家族で過ごす場所から、一人で過ごす場所へ。
子どものための庭から、家族みんなの庭へ。
庭は、家族の成長に合わせて役割を変えられます。
だからこそ、最初から「子ども専用の庭」をつくるのではなく、
家族の成長を受け止められる庭
を考えてみる。
それが、10年後も使われる外構につながります。
庭に残るのは、設備だけではない
子どもが小さい頃に植えた木。
家族でつくった花壇。
初めてBBQをした場所。
夏に水遊びをした床。
何度も自転車を練習した場所。
庭で撮った家族写真。
こうしたものは、外構図面には残りません。
でも、家族の記憶には残ります。
そして、その記憶の背景には、いつも庭があります。
庭は、家族の時間を記録する場所にもなる。
そう考えると、外構は単なる「住宅の外側」ではなくなってきます。
だから、庭を「今だけ」で決めない
外構を考えるとき、今の暮らしを大切にすることは当然です。
10年後のために、今を我慢する必要もありません。
大切なのは、
今を楽しみながら、未来にも使える庭にしておくこと。
そのために、
・子ども専用にしすぎない
・用途を固定しすぎない
・居場所をつくる
・余白を残す
・成長する植物を考える
・車や自転車の変化を想定する
・後から手を入れられるようにする
そんな設計をしておく。
庭は、完成させるものではなく、暮らしと一緒に変えていくものだからです。
庭時間は、家族の成長と一緒に変わっていく
小さな子どもが庭を走る。
親がそれを見守る。
数年後、子どもが自転車に乗る。
さらに数年後、友達を連れてくる。
そしていつか、家を出ていく。
その頃には、庭の使い方も変わっているでしょう。
でも、庭がなくなるわけではありません。
そこには木が残り、ベンチが残り、家族が過ごした記憶が残っています。
そして、また新しい庭時間が始まる。
庭は、家族の成長に合わせて「役割」を変えることができる。
それが、外構を長く使うということなのだと思います。
ローカルガーデンが考える「庭時間」は、今この瞬間だけを切り取った庭づくりではありません。
子どもが小さい今も。
子どもが大きくなった10年後も。
さらにその先も。
その時々の暮らしに寄り添いながら、庭との関係を変えていく。
だから庭は、完成したら終わりではありません。
家族が成長するたびに、新しい庭時間が生まれていくのです。
次回予告
次は、家族の成長と同じくらい大きく暮らしを変えるもの。
「車が変わると、駐車場も変わる」
前橋・群馬の暮らしでは、車は単なる移動手段ではありません。
車が変われば、駐車場の使い方も変わります。
大きさ、台数、乗り降り、荷物、カーポート、ガレージ、そして将来の余白。
「何台停められるか」だけではない、暮らしから考える駐車場について掘り下げます。
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株式会社ローカルガーデン
住所 : 群馬県前橋市上大島町48-16
電話番号 : 027-226-1040
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