車が変わると、駐車場も変わる
2026/09/16
10年前と今では、車の大きさも使い方も変わりました。
子どもが増えれば、必要な車も変わる。
軽自動車からミニバンになることもある。
子どもが運転するようになれば、車が増えることもある。
逆に、家族構成が変わって車が減ることもあります。
だから駐車場は、
「今、車が何台あるか」だけで決めるものではありません。
これから10年、車とどう暮らすのか。
そこまで考えると、駐車場のつくり方も変わってきます。
庭時間を考えるということは、庭だけを見ることではありません。
家族の移動を支える駐車場も、暮らしの外部空間です。
駐車場は「車を置く場所」だけではない
外構の打ち合わせで、
「駐車場は2台でお願いします」
という話から始まることがあります。
もちろん、台数は大切です。
でも、2台停められれば、それで駐車場として十分でしょうか。
車から降りる。
荷物を持つ。
子どもを降ろす。
ベビーカーを出す。
玄関まで歩く。
雨の日に傘を差す。
買い物袋を運ぶ。
自転車を出す。
ゴミを積む。
洗車をする。
来客を迎える。
駐車場では、毎日たくさんのことが起きています。
だから私は、
駐車場は「車の居場所」であると同時に、「家族の動線」でもある
と考えています。
車のサイズが変われば、必要な空間も変わる
例えば、今は軽自動車だから問題なく停められている駐車場。
そこに将来、ミニバンやSUVが入ったらどうでしょう。
ドアを開ける。
子どもをチャイルドシートから降ろす。
荷物を出し入れする。
バックドアを開ける。
そうした瞬間に、「停められる」と「使いやすい」の違いが出てきます。
駐車場の寸法は、単に車体が収まればいいわけではありません。
車の周りに人が動くための空間も必要です。
だから外構では、車の大きさだけでなく、
「どこから乗り降りするのか」
「どこから荷物を出すのか」
「どこを人が通るのか」
まで考えます。
「停められる」と「使える」は違う
これはカーポートにも言えることです。
カタログを見ると、
「1台用」
「2台用」
「3台用」
という規格があります。
でも、同じ2台用でも、敷地の形や車の向き、柱の位置によって使いやすさは変わります。
例えば、カーポートの柱が、
玄関までの動線にかかってしまう。
ドアを開ける位置と干渉する。
バックドアを開けると柱が気になる。
車を入れるときの視界を邪魔する。
そうなれば、屋根が付いたこと自体は便利でも、毎日の使い勝手は変わってしまいます。
だからカーポートは、
「何台用か」より「その場所でどう使うか」
から考える。
これは商品選びより先に考えたいところです。
規格サイズを小さくすれば、駐車スペースも小さくなる
外構では、敷地に合わせてカーポートを切り詰めるケースもあります。
もちろん、敷地条件によって必要な調整はあります。
ただ、単純にサイズを小さくするということは、
車を停めるための余裕も小さくする
ということです。
屋根の大きさだけを見て、
「これなら入る」
と判断するのではなく、
車を停める。
ドアを開ける。
人が歩く。
荷物を出す。
子どもを乗せ降ろしする。
その一連の動作まで考える必要があります。
駐車場は、平面図の中の長方形ではありません。
そこには毎日の暮らしがあります。
前橋・群馬では「車から家まで」も大切
前橋をはじめ群馬県では、車を使う生活が日常になっています。
だからこそ、
車から玄関までの数メートル
をどう考えるかが、意外と重要です。
雨の日。
強い日差しの日。
風の強い日。
雪や凍結が気になる朝。
買い物帰りで両手がふさがっているとき。
子どもを抱えているとき。
車を降りてから家に入るまでの動線は、毎日の積み重ねです。
カーポートの屋根。
アプローチの位置。
玄関ポーチ。
門柱。
植栽。
照明。
これらを別々の商品として考えるのではなく、ひとつの動線として考える。
そうすると、駐車場の設計も変わってきます。
車が増える時期もある
家族の成長を考えると、車が増える可能性もあります。
子どもが運転免許を取る。
通勤に車が必要になる。
夫婦それぞれが車を使う。
仕事用の車が増える。
そんな時期が来る家庭もあります。
最初は2台で十分だった駐車場が、数年後には足りなくなる。
だからといって、最初から何でもかんでも駐車場にしてしまう必要はありません。
ここで、以前お話しした「余白」が生きてきます。
今は庭として使っている場所を、将来は一時的な駐車スペースとして使える。
来客時には車を置ける。
普段は子どもが遊ぶ。
将来、車が増えたら使い方を変えられる。
そんな余白があれば、土地の使い方に柔軟性が生まれます。
逆に、車が減る未来もある
「車は増える」とは限りません。
子どもが独立する。
夫婦のどちらかが車を手放す。
高齢になり、運転しなくなる。
生活スタイルが変わる。
そうすると、今まで車2台分だったスペースが余ることもあります。
そのとき、その場所をどうするでしょうか。
全部コンクリートで固めてしまっていたら、駐車場以外の使い道に変えるには少し手間がかかります。
一方で、一部に植栽や土の部分を残していたり、庭とのつながりを考えていたりすれば、
庭に戻す。
植栽を増やす。
ベンチを置く。
小さなガーデンステージにする。
物置や趣味のスペースをつくる。
そんな選択肢も出てきます。
駐車場も、暮らしの変化に合わせて役割を変えられる。
そう考えておくと、外構の設計は少し自由になります。
「とりあえず全部コンクリート」は、本当に便利なのか
駐車場を土間コンクリートにすることには、もちろん大きなメリットがあります。
雑草を抑えられる。
泥が上がりにくい。
車を停めやすい。
掃除もしやすい。
バリアフリーにも向いている。
群馬の車中心の生活を考えれば、非常に合理的な材料です。
問題は、コンクリートそのものではありません。
敷地のすべてを「駐車場」という役割だけで考えてしまうことです。
以前「余白」の記事でも書いたように、庭には何もしない場所があってもいい。
それは将来の使い方を残すことにもつながります。
駐車場として必要な場所はしっかりコンクリートにする。
一方で、植栽や透水、庭としての余白も残す。
役割を分ける。
それも外構設計です。
駐車場の「奥行き」だけではなく「角」を見る
駐車場を考えるとき、意外と重要なのが角です。
例えば、敷地の角に車を停める場合。
車の出入り。
ハンドルを切る位置。
道路との関係。
隣地との境界。
歩行者。
植栽。
門柱。
こうしたものが一か所に集まります。
平面図上では余裕があるように見えても、実際に車を動かしてみると使いにくいことがあります。
だから駐車場は、
「何台置けるか」
だけではなく、
「どう動くか」
まで見る。
外構設計の経験が出るところでもあります。
ガレージなら「車をしまった後」まで考える
ガレージになると、さらに話が変わります。
車をしまう。
シャッターを閉める。
それで終わりではありません。
ガレージから家へどう移動するのか。
工具をどこに置くのか。
自転車はどうするのか。
夜に何をするのか。
照明はどこに必要なのか。
コンセントは必要か。
椅子を置くのか。
休日にそこで過ごすのか。
以前「ガレージは秘密基地」という話をしました。
メーカーの既製品であっても、配置や周辺のつくり方によって、その場所で過ごす時間は変わります。
車をしまう箱をつくるのか、ガレージライフをつくるのか。
ここにも「庭時間」の考え方があります。
駐車場にも「余白」が必要
車をギリギリに配置した駐車場は、数字上は効率がいいかもしれません。
でも、暮らしでは少しの余裕が便利です。
荷物を持って歩く。
子どもを乗せる。
自転車を横に置く。
来客がある。
宅配便が来る。
将来、車が変わる。
そう考えると、駐車場にも「余白」が必要になります。
もちろん、土地には限りがあります。
だからこそ、
どこに余白を残し、どこをきっちり使うのか。
そこを考えるのが設計です。
土地を大きくすることはできません。
でも、同じ土地でも使い方は変えられます。
駐車場は「庭時間」と対立しない
駐車場を広くすると庭が狭くなる。
庭を広くすると駐車場が足りない。
そんなふうに、車と庭を対立させて考えてしまうことがあります。
でも、本当はどちらも暮らしの一部です。
車で出かける。
家に帰る。
車から降りる。
庭を横切る。
玄関に入る。
休日には車を出して、家族で出かける。
帰ってきたら、庭で少し過ごす。
車の時間と庭の時間は、つながっています。
だから、
「駐車場をどうするか」ではなく、「車のある暮らしをどう設計するか」。
そこから考えると、外構全体のつながりが見えてきます。
10年後の駐車場を想像してみる
今の車を見ながら、少し先を想像してみる。
この車より大きくなるかもしれない。
子どもが車に乗るかもしれない。
逆に車が減るかもしれない。
ガレージが欲しくなるかもしれない。
電気自動車に乗り換えるかもしれない。
庭として使いたくなるかもしれない。
もちろん、未来を正確に当てることはできません。
だからこそ、
変化しても困らない駐車場
を考えておく。
それは、何でも大きくつくることではありません。
余白を残す。
動線を整理する。
柱の位置を見る。
必要な設備を考える。
庭との関係をつくる。
あとから変更できる部分を残す。
そうした小さな設計の積み重ねです。
車が変われば、庭時間も変わる
車は単なる道具ではありません。
家族を乗せて出かける。
子どもを送り迎えする。
買い物をする。
旅行に行く。
仕事に向かう。
趣味を楽しむ。
そして、家に帰ってくる。
駐車場は、そのすべての始まりと終わりになる場所です。
だからローカルガーデンでは、駐車場を単に「車を置く場所」としてではなく、
家族の暮らしが出入りする場所
として考えたい。
車が変わる。
家族が変わる。
暮らしが変わる。
そのたびに、駐車場の意味も変わっていく。
庭と同じです。
外構は、完成した瞬間に使い方が決まるものではありません。
暮らしが変わるたびに、新しい使い方を見つけられる。
それも、長く付き合える外構の一つの条件だと思います。
次回予告
次は、車と同じように家族の暮らしを大きく変える存在。
「愛犬を迎えた庭。家族が増える外構」
ドッグランをつくれば、それでペット外構なのでしょうか。
犬が走る場所だけではなく、家族が一緒に過ごす場所として考える。
床、フェンス、水栓、日陰、動線、掃除のしやすさ。
そして、犬が若い頃だけではなく、年齢を重ねた先まで。
「犬のための庭」から「家族と犬が一緒に暮らす庭」へ。
次は、そんな庭時間を考えてみます。
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株式会社ローカルガーデン
住所 : 群馬県前橋市上大島町48-16
電話番号 : 027-226-1040
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