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庭の床で変わる。庭時間をつくる外構設計

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庭の床で変わる。庭時間をつくる外構設計

庭の床で変わる。庭時間をつくる外構設計

2026/08/27

「庭をどうしたいですか?」

 

そう聞かれて、

 

「芝生にしたいです」
「人工芝がいいです」
「タイルテラスにしたいです」
「全部コンクリートにしたいです」

 

と答える方は多いと思います。

 

もちろん、それは間違いではありません。

 

でも、外構設計をしている私たちは、その一つ手前にある質問を大切にしています。

 

「その庭で、どんな時間を過ごしたいですか?」

 

庭の床は、単なる仕上げ材ではありません。

その上で何ができるのか。
誰が使うのか。
どれくらい手入れするのか。
雨の日はどうなるのか。
夏の暑さにどう向き合うのか。

 

そして何より、

 

「その場所に座りたくなるのか、遊びたくなるのか、車を置きたいのか」

 

まで変えてしまいます。

 

だから庭の床は、商品から選ぶのではなく、庭時間から考える。

今回は、そんな「庭の床」の話です。

 


 

庭の床は「何をする場所か」で決まる

 

同じ10坪の庭でも、床のつくり方によって使い方は大きく変わります。

 

子どもと走り回りたい庭。

愛犬と過ごしたい庭。

椅子を置いてコーヒーを飲みたい庭。

バーベキューをしたい庭。

洗濯物を干したり、布団を広げたりする庭。

植栽を眺めながら、何もしない時間を過ごす庭。

 

あるいは、車を停めたり、自転車を置いたり、物置への動線として使う庭。

 

全部同じ「庭」です。

 

でも、必要な床は同じではありません。

 

だから私たちは、

 

やりたいこと
↓
過ごしたい時間
↓
必要な居場所
↓
必要な床
↓
素材・商品

という順番で考えます。

 

これが「庭時間」の外構設計です。

 


 

芝生は「遊ぶ時間」をつくる床

 

芝生の一番の魅力は、何といっても「使えること」。

 

子どもが裸足で走ったり、寝転んだり。

愛犬が走ったり、家族と一緒に遊んだり。

テントやレジャーシートを広げたり。

 

芝生は、庭を「見る場所」から「入る場所」に変えてくれます。

 

一方で、芝生には手入れがあります。

 

刈る。
水をやる。
雑草を管理する。

 

季節による状態の変化を受け入れる。

 

つまり芝生は、

庭を楽しむ時間と同時に、庭を育てる時間も生まれる床

なのです。

 

この「手入れも庭時間」と考えられるかどうか。

そこまで含めて選ぶことが大切です。

 


 

人工芝は「すぐ使える時間」をつくる

 

「子どもや犬と庭で遊びたい。でも芝生の管理までは難しい」

 

そんな場合に候補になるのが人工芝です。

 

一年を通して比較的使いやすく、芝刈りなどの管理負担を抑えられる。

忙しい子育て世代や、愛犬との時間を大切にしたいご家庭では、非常に相性のいい選択肢です。

 

ただし、

人工芝なら何でもいい、という話でもありません。

 

夏の直射日光。

排水。

下地。

雑草対策。

犬の排泄や清掃。

周囲の舗装との取り合い。

 

そして、どこに人工芝を配置するか。

 

これらを考えなければ、「人工芝を敷いたのに、結局あまり庭を使わない」ということも起こります。

 

大切なのは人工芝を売ることではなく、

人工芝によって、どんな時間をつくるのか。

そこです。

 


 

インターロッキングは「使い方を増やす床」

 

インターロッキングは、芝生とコンクリートの中間的な存在として考えることもできます。

 

歩きやすい。

家具を置きやすい。

BBQなどにも使いやすい。

雨水を逃がす計画にも組み込みやすい。

 

そして、デザインによって庭の雰囲気も大きく変えられます。

 

例えば、

芝生+インターロッキング。

植栽+インターロッキング。

ベンチ+インターロッキング。

という組み合わせ。

 

床だけを考えるのではなく、

「その床の上に何が置かれるのか」

まで考えると、庭の使い方が見えてきます。

 


 

タイルテラスは「座る時間」をつくる

 

タイルテラスの魅力は、家とのつながりをつくりやすいこと。

 

リビングから庭へ出る。

椅子を置く。

テーブルを置く。

子どもが遊ぶ。

愛犬が日向ぼっこする。

夜には照明をつける。

 

そんなふうに、家の中と外をつなぐ「もう一つの部屋」として使うことができます。

 

以前の記事でお話しした「居場所」とも深く関係します。

 

例えば、タイルテラスをつくるだけではなく、そこにベンチを組み込む。

目隠しをつくる。

木陰をつくる。

照明を入れる。

 

そうすると、

「庭を見るためのテラス」

から、

「庭で過ごすための場所」

へ変わっていきます。

これが、庭時間の考え方です。

 


 

コンクリートは悪者ではない

 

外構の話になると、

「コンクリートばかりでは味気ない」

という話が出ることがあります。

 

でも、私はコンクリートを悪者にする必要はないと思っています。

 

車社会の群馬では、駐車スペースは暮らしに欠かせません。

 

雑草を抑えたい。

泥はねを減らしたい。

車や自転車を使いやすくしたい。

段差を減らしたい。

掃除をしやすくしたい。

 

そう考えれば、コンクリートは非常に合理的な床です。

 

問題なのは、

「とりあえず全部コンクリートにする」

こと。

 

駐車場として必要な場所。

歩く場所。

遊ぶ場所。

座る場所。

植栽する場所。

雨を受け止める場所。

 

それらを全部同じ床にする必要はありません。

 

むしろ、土地全体を見ながら役割を分けていく。

それが外構設計です。

 


 

前橋の庭では「夏」と「雨」も床選びの条件になる

 

前橋を含む群馬の暮らしでは、車中心の生活になりやすく、庭や駐車場の使い方も「広い土地だからこそできること」があります。

一方で、夏の強い日差しや暑さ、突然の雨、冬の凍結や霜など、外部空間ならではの環境条件もあります。

 

だから、

 

「見た目が好きだから」

 

だけで床を決めてしまうのは少しもったいない。

 

日射。

風。

雨水。

排水。

照り返し。

雪や霜。

車の動線。

家から庭への出入り。

家具の配置。

 

こうした条件を重ねて考えることで、その土地に合った床が見えてきます。

 

庭はショールームではありません。

実際に家族が毎日使う場所です。

 


 

「床」を決めるとき、家具まで考えてみる

 

これは、意外と大切なポイントです。

 

庭の床を決めるとき、

「芝生にしますか?」
「タイルにしますか?」
「コンクリートにしますか?」

だけで終わらせない。

 

その先に、

「何を置きますか?」

と考えてみてください。

 

椅子。

ベンチ。

テーブル。

ハンモック。

子どもの遊具。

犬の水飲み場。

BBQコンロ。

ガーデンシンク。

自転車。

収納。

照明。

 

主役になるものが決まれば、床のつくり方も変わります。

 

家具があることで「座る理由」が生まれます。

床があることで「使う理由」が生まれます。

そして、その二つが組み合わさることで、

庭に時間が生まれます。

 


 

庭の床は「仕上げ」ではなく「暮らしの土台」

 

外構工事では、床は最後の仕上げのように見えるかもしれません。

 

しかし、庭時間という視点で考えると、むしろ逆です。

 

床は、暮らしの土台です。

 

芝生なら「遊ぶ時間」。

人工芝なら「手入れを減らして使う時間」。

タイルなら「座って過ごす時間」。

インターロッキングなら「使い方を広げる時間」。

コンクリートなら「車や暮らしを支える時間」。

 

そして、それらを組み合わせれば、

一つの庭の中に、いくつもの時間をつくることができます。

 

朝はコーヒー。

昼は子どもと遊ぶ。

夕方は愛犬と過ごす。

夜は照明の下で一杯。

 

同じ土地でも、時間帯によって役割が変わる。

それが庭の面白さです。

 


 

「何を敷くか」より「何をしたいか」

 

外構工事を考えると、

「人工芝はいくらですか?」

「タイルテラスはいくらですか?」

「コンクリートはいくらですか?」

と、どうしても商品や工事費から考えてしまいます。

 

もちろん予算は重要です。

 

しかし、本当に最初に考えたいのは、

「その庭で何をしたいのか?」

です。

 

子どもと遊びたい。

愛犬と過ごしたい。

ガレージで趣味を楽しみたい。

家族でBBQをしたい。

椅子に座って何もしない時間が欲しい。

庭を眺めながらお茶を飲みたい。

 

そうした「やりたいこと」があって、そのための空間があり、その空間に必要な床がある。

 

だから私たちは、

商品から庭を考えるのではなく、暮らしから商品を選ぶ。

と考えています。

 

庭時間とは、きれいな庭をつくることだけではありません。

 

その土地に、家族が過ごせる時間をつくること。

 

そのための床も、外構も、植栽も、照明も、家具も、すべては手段です。

 

主役は、そこで過ごす人。

そして、その人が過ごす「時間」です。

 


 

次回予告

 

次回は、庭時間をつくるうえで欠かせない、

「日陰」

について考えてみます。

 

「南向きの庭=最高の庭」

本当にそうでしょうか?

 

前橋の夏。

強い日差し。

からっ風。

そして、家そのものがつくる影。

 

実は、庭の価値は「どれだけ日が当たるか」だけでは決まりません。

 

北庭・東庭という選択肢。
家がつくる日陰。
木陰。
ガーデンルーフ。

 

「日当たりのいい庭」から、

「過ごしやすい庭」へ。

 

次回は、庭時間から考える「日陰の設計」です。

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