私が心掛ける「現場で完成する外構設計力」

外構工事の「設計力」と聞くと、
立派な図面や細かい寸法がびっしり書かれた設計図を想像する方が多いかもしれません。

 

しかし、私たちは少し違う考え方をしています。

 

外構工事は、
図面で完成するものではなく、現場で完成するもの

だと考えているからです。

 

図面にすべてを書かない理由

 

私たちの図面には、
建築設計図のように細かい寸法がすべて書かれているわけではありません。

 

それは、
・現場条件が一つとして同じものはない
・土や既存構造物は図面通りにならない
・外構は自然と向き合う工事だから

です。

 

高さ、納まり、素材の見え方、植栽の位置、照明の光の当たり方。

 

これらは、現場を見て、立って、感じて決めるほうが正解になることが多い。

 

だから私たちは、
図面は「答え」ではなく、
現場で最適解に辿り着くための設計意図として描いています。

 

「現場調整」と「丸投げ」は全く違う

 

誤解されがちですが、
現場で決める＝職人任せ
ではありません。

 

私たちは、
・現場に足を運び
・職人と随時やり取りをし
・判断を先送りせず
・その場で設計者として決断

します。

 

これは設計放棄ではなく、
設計責任を最後まで持ち続ける姿勢です。

 

設計者が現場作業に入る理由

 

私たちは、図面を描くだけの立場ではありません。

 

現場では、

・一輪車で生コンを運ぶ

・床掘りの高さ出しをする

・カーポートやテラス屋根、物置の組立を手伝う

・電気配線や照明の調整を行う

こうした作業にも入ります。

 

これは「人手不足の穴埋め」ではありません。

設計した人間が、現場の負荷と難しさを体感するためです。

 

自分で生コンを運べば、
無理な動線や工程が見えてくる。

 

自分で組立を手伝えば、
商材の癖や限界がわかる。

 

自分で照明配線を触れば、
光の向きや陰影の違いが理解できる。

 

この感覚を持たずに描く設計は、
どうしても机上の空論になります。

 

職人と「同じ目線」に立つ

 

現場で一緒に汗をかくことで、
職人さんとの関係性も変わります。

 

指示を出す側と、出される側。
そんな上下関係ではありません。

 

「ここ、どう納めるのが一番きれいか」
「この高さ、もう少し下げたほうがいいか」

 

同じ現場、同じ視線で会話ができる。
だから、無理のない設計ができ、
仕上がりの精度も上がります。

 

職人は下請けではなく、
一緒に外構をつくるパートナーだと考えています。

 

植栽と照明は“現場で決めてこそ”

 

特に、
植栽と照明は現場判断が欠かせません。

 

植栽は、
・背景
・隣家との距離
・日当たり
・風の抜け

 

これを現場で見ずに位置を決めることはできません。

 

照明も同様です。
夜に実際に点灯し、

 

「どこを照らしたいのか」

「どこは暗く残すのか」

 

これは図面上では決まりません。

 

だからこそ、
現場で微調整する前提の設計をしています。

 

設計力とは「現場で判断できる力」

 

私たちが考える「設計力」とは、

・現場条件を読み取る力

・商材の特性を理解していること

・職人と対話できること

・自分で手を動かした経験があること

・最後の判断を逃げずに下せること

これらすべてを含んだ力です。

 

寸法を細かく書くことが設計ではありません。
 

現場で成立させ、暮らしとして完成させること。

 

それが外構の設計だと、私たちは考えています。

 

外構会社を見極める視点

 

外構会社を選ぶとき、
ぜひこんな視点を持ってみてください。

・現場の話を具体的にしてくれるか

・施工の苦労を理解しているか

・図面通りに作る前提ではなく、調整の話が出るか

・設計者が現場に出る会社か

 

これらに「YES」と答えられる会社は、
外構工事を本気で考えている会社です。

 

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まとめ

 

外構工事は、
図面で完結する仕事ではありません。

 

現場で考え、
現場で決め、
現場で責任を取る。

 

その積み重ねが、
長く安心して使える外構につながります。

 

私たちはこれからも、
現場に立ち、手を動かしながら、
外構設計を完成させていきます。