外構は住んでから決めていい理由

外構工事は、家づくりの最後に考えるもの。

 

そう思われがちですが、実は少し違います。

 

正確に言うと、
「外構工事は、住んでから決めても遅くない」

 

むしろ、住んでからのほうが良いケースも多いのです。

 

今回は、
・ハウスメーカーの外構工事では出来ないこと
・住んでから外構を決めるメリット
・住宅設計と敷地・外構のズレ
について、少し踏み込んでお話しします。

 

これは、実際に現場で多くのご相談を受けてきた中で、
何度も感じてきた「違和感」でもあります。

 

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ハウスメーカーの外構工事で出来ないこと

 

まず、誤解してほしくないのは、
ハウスメーカーの外構工事が「悪い」という話ではありません。

ただし、出来ることが限られているのは事実です。

 

ハウスメーカーの外構は、
・引き渡しまでに最低限整える
・工期とコストを読みやすくする
・標準仕様に当てはめる
ことが優先されます。

 

その結果、
・とりあえずの土間コンクリート
・とりあえずのフェンス
・とりあえずのアプローチ
になりやすいのです。

 

暮らし方や使い方よりも、
「完成させること」がゴールになりがちです。

 

一方、専門の外構工事は違います。

 

住んでからの動きや、
家族の生活リズム、
敷地のクセを見ながら設計します。

ここに、大きな差が生まれます。

 

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外構は住んでから決めても遅くない

 

外構の打ち合わせで、よく聞く言葉があります。

「住んでみたら、ここが不便だった」
「思ったより人目が気になる」
「この動線、毎日ストレスです」

これは、住まないと分かりません。

 

朝と夕方の日当たり。
雨の日の水の流れ。
車と人の動線。
近所の視線や交通量。

 

図面だけで完璧に読むのは不可能です。

 

だからこそ、
住んでから気付いたことを、外構で修正する
という考え方は、とても合理的です。

 

外構は、暮らしを調整する装置です。
家の欠点を隠し、
長所を引き伸ばします。

 

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実は知られていない住宅設計の現実

 

意外と知られていませんが、
住宅の設計担当者が、
敷地で長時間過ごすことはほとんどありません。

 

・周辺道路の交通量
・時間帯ごとの日当たり
・隣家の窓の位置
・人の視線の流れ

 

これらを、
現地でじっくり確認せずに、
間取りが作られることも多いのです。

すると、どうなるか。

 

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よくある「間取りと外構のズレ」

 

よくあるのが、
リビング前の窓を横切る動線です。

リビングから庭に出たい。
でも、玄関へ向かう通路が、
リビング前を突っ切っている。

 

結果、
「リビング前を隠したい」
という相談になります。

 

しかし、根本原因は、
外構ではなくリビングの位置です。

外構で隠すことは出来ます。
フェンスや植栽で視線は切れます。

 

ただ、
「なぜ隠したいのか」
を考えると、
配置そのものに無理があるケースも少なくありません。

 

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寝室が道路側・駐車場側の違和感

 

これも多いです。

・寝室が道路に面している
・寝室の窓の前が駐車場

 

音、光、視線。

 

どれも、睡眠には不向きです。

「夜だから大丈夫」
そう思っても、
朝の車の音や人の気配は、
意外とストレスになります。

 

外構で出来る対策もありますが、
限界はあります。

 

ここでも、
建物と外構は一体で考えるべき
という話に戻ります。

 

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建築段階で外構を考える価値

 

ここまで読むと、
「じゃあ最初から外構も一緒に考えるべき」
と思うかもしれません。

 

それは、その通りです。

建築計画段階から、
外構の視点を入れることは、
とても良いことです。

 

ただし、
完成させる必要はありません。

・余白を残す
・将来の外構を想定する
・住んでから調整できるようにする

この考え方が重要です。

 

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外構は「完成」ではなく「育てるもの」

 

外構は、
家と一緒に完成させるものではありません。

暮らしに合わせて、
少しずつ育てるものです。

 

最初は最低限。
数年住んで、
本当に必要なものを足す。

 

そのほうが、
無駄がなく、
満足度も高くなります。

 

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今年最後に伝えたいこと

 

外構は後回しでいい。
でも、軽く見てはいけません。

 

外構は、
・暮らしのストレスを減らし
・家の価値を引き上げ
・毎日の満足度を左右します。

 

住んでから気付いた違和感。
それは、失敗ではありません。

 

改善のヒントです。

 

今年最後のブログとして、
この考え方が、
これから家づくりをする方、
すでに住んでいる方の、
何かの気付きになれば幸いです。

 

外構は、
暮らしを整える最後のピースです。